代表的な就労系在留資格である「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、5年、3年、1年、3カ月となっており、この期間を超えて日本での在留を続ける場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留期間更新許可申請を行わなければなりません。
今回は、この在留期間更新許可申請について述べたいと思います。
なお、これから述べる申請手続きは2024年10月現在のもので、提出書類等は日々変更されていくものですので、ご留意願います。
※最新の「技術・人文知識・国際業務」の申請書類等はこちら(出入国在留管理庁HP)をご覧ください。
「技術・人文知識・国際業務」所属機関のカテゴリーとは
「技術・人文知識・国際業務」の在留期間更新許可申請を行う際に出入国在留管理局に必要な書類を提出することになりますが、その書類は、申請人である外国人が日本で所属することになる機関(会社・団体)の規模によって変わってきます。
カテゴリーは1の株式上場企業から4の新設企業まであり、1から4になるにつれ提出書類の数が増え、審査期間も長くなる傾向があります。
カテゴリー1
・日本の証券取引所に上場している企業
・保険業を営む相互会社
・日本又は外国の国・地方公共団体
・独立行政法人
・特殊法人・認可法人
・日本の国・地方公共団体認可の公益法人
・法人税法別表第1に掲げる公共法人(株式会社日本政策金融公庫、国立大学法人など)
・ 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
・ 一定の条件を満たす企業等
カテゴリー2
・前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
・カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関
カテゴリー3
カテゴリー4
「技術・人文知識・国際業務」在留期間更新許可申請の提出書類
「技術・人文知識・国際業務」在留期間更新許可申請の提出書類は2024年10月現在で以下のとおりとなっています。
必要な提出書類のリストは出入国在留管理庁のホームページで公開していますが、この公開リストは必要最小限のものであり、実際にはこれ以外にも審査を受ける上で出した方が良い書類がありますので併せて記載させていただきます。かなり細かい内容になっていますが必要な書類を漏れがないように記載したものですのでご了解願います。
※2 【】内は書類の取り寄せ先です。
※3 行政書士に申請手続きを依頼する場合、行政書士が申請者に代わって作成・取り寄せできる書類はアンダーラインで記載しています。アンダーラインのないものは、原則ご自身で作成・取り寄せをしていただくことになります。
※4 〔〕内は行政書士が書類を収集する際の方法になります(職務上請求書・委任状による代理申請)。
◇カテゴリー共通提出書類
①在留期間更新許可申請書 1通
②写真 1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
※ 申請書の写真添付欄に写真を直接印刷したものを提出いただいても差し支えありませんが、指定の規格を満たさない不適当な写真を用いて申請が行われた場合には、写真の撮り直しをお願いすることになります。
③パスポート及び在留カード(提示)
④派遣契約に基づいて就労する場合(申請人が被派遣者の場合)
申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料(労働条件通知書(雇用契約書)等) 1通
⑤上申書、申請理由書(説明を要する特段の事情があるとき)
⑥4,000円の収入印紙及び手数料納付書(結果受領時に提出)
⑦その他
・出入国在留管理局には原則提出不要だが追加提出を求められうるもの(行政書士に依頼する場合は、行政書士に提出するもの)
※申請人が基準省令で求められる学歴・職歴を有しているか確認するため。
・短大、大学又は大学院の卒業証書・卒業証明書
※申請人が基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。
・日本の専門学校の卒業証書・卒業証明書(専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書)
※申請人が基準省令に合致した学歴又は資格を有しているか確認するため。
・「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書
※申請人が、基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。法務大臣の告示で指定された試験・資格に限る。申請する地方出入国在留管理局によっては、写しではなく原本を要求される場合もあるので、あらかじめ確認しておく。
・日本の所属機関で従事する業務に関連する業務についての10年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない。
・日本の所属機関で広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発等の業務に従事する場合、その業務に関連する業務についての3年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない。
◆カテゴリー1提出書類
①カテゴリー1に該当することを証明する文書 適宜
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
・所属機関が政府機関であるときはそのウェブサイトの写し等
・所属機関が独立行政法人等であるときは登記事項証明書【法務局】
・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
・「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)
◆カテゴリー2提出書類
①カテゴリー2に該当することを証明する文書 適宜
※オンライン提出の場合は、データ受付ページの写しを添付するか、オンライン提出日の記載があるものを提出すること。
・在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)[カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関に限る。]
◆カテゴリー3・4提出書類
①カテゴリー3に該当することを証明する文書 適宜
※オンライン提出の場合は、データ受付ページの写しを添付するか、オンライン提出日の記載があるものを提出すること。
※カテゴリー4の場合はカテゴリー4に該当することを証明する文書は不要です。
②住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通【市区町村の区役所・市役所・役場】〔委任状による代理申請〕
※ これらは、1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、証明書か納税証明書のどちらか一方でかまいません。
〇 カテゴリー3又は4の企業等に転職後の初回の更新許可申請の場合は、上記書類に加え、以下の書類も提出が必要になります。
③申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通(雇用契約書・労働条件通知書等)
※雇用契約書等がない場合、職務内容証明書(職務内容、地位、期間、報酬の記載のあるもの)
ⅱ)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通
ⅲ)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通(派遣状・異動通知書等)
④事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
ⅱ)その他の勤務先等の作成した上記(ⅰ)に準ずる文書 1通
※定款の写しを添付する。
⑤直近の年度の決算文書(貸借対照表・損益計算書)の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
※第1期が完了していないため決算書がない場合、決算書はあるものの財務状況が良くない場合も事業計画書を提出する。
◆カテゴリー4 提出書類
①前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
ⅰ)源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通
ⅱ)上記(ⅰ)を除く機関の場合
a.給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通
b.次のいずれかの資料
・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通
・納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通
※「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の控え(税務署の受理印のあるもの)を提出するのが通常である。
申請の際に
申請人本人以外の方が申請書類を提出する場合は、提出する方の身分を証する文書(会社の身分証明書、申請取次者証明書、戸籍謄本等)の提示が必要です。
以上が在留資格「技術・人文知識・国際業務」在留期間更新許可申請についての概要になります。参考になればうれしいです。