非就労ビザ

【在留資格】家族滞在について

ある種の在留資格を持って日本に滞在する外国人が、配偶者や子供を扶養して日本で一緒に暮らすためには、その配偶者や子供には「家族滞在」の在留資格が必要となります。
今回は、この在留資格「家族滞在」の概要について説明させていただきます。

在留資格「家族滞在」でできる活動とは

「家族滞在」の在留資格の活動内容は入管法で次のように定められています。

一の表、二の表又は三の表の上欄の在留資格(外交、公用、特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)、技能実習及び短期滞在を除く。)をもつて在留する者又はこの表の留学の在留資格をもつて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動

わかりやすく言うと、次の在留資格を除く在留資格を持つ扶養者配偶者又はが行う日常的な活動ということになります。

・外交
・公用
・特定技能1
・技能実習
・短期滞在
・研修
・家族滞在
・特定活動

さらに具体的に言うと、次のとおりです。

「扶養者」とは、扶養の意思を持ち、かつ扶養可能な資金があることの証拠を持つ者をいいます。

「配偶者」に含まれるのは法律婚の配偶者のみです。
また、原則として同居を前提として扶養者に経済的に依存している状態にあることが必要です。
事実婚(同性婚)のパートナーは、個別具体的な事情により告示外特定活動 (※)の在留資格が許可されることがあります。
告示外特定活動
法務大臣が人道上その他の特別の事情により特に在留を認めるもので、在留資格を持つ外国人の同性婚配偶者、在留資格を持つ外国人の高齢の親(老親扶養ビザ)、日本国籍の子を扶養する外国人の親(日籍子扶養ビザ)などがあります。

「子」に含まれるのは嫡出子の他、養子及び認知された非嫡出子が含まれます。
また、扶養者の監護養育を受けている状態にあることが必要です。
※「子」には、成年に達した者も含まれますが、現在の審査では原則として子の年齢が18歳以上の場合は在留資格「留学」で申請するよう指導されることがあります。

「日常的活動」には、教育機関において教育を受ける活動も含まれますが、扶養を受けて生活するのが前提なので、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動は含まれません。

なお、在留資格「家族滞在」の在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)となっています。
ただ、実際のところ、「家族滞在」の在留資格は、日本に在留する外国人の扶養家族を日本に受け入れるためのものですので、「家族滞在」の在留資格をもって在留する外国人は、その扶養者が日本に在留する間に限って、日本に在留することができます。

「家族滞在」の在留資格申請の要件

1. 扶養者の収入条件

「家族滞在」の在留資格を申請するためには、上記の在留資格を除く在留資格を持つ外国人の扶養を受けて在留することとなっています。
したがって、扶養者に該当する外国人の報酬額・財産の額が少ないと許可されないことがあります。
具体的には、扶養者の月額報酬が15万円から20万円未満だと配偶者と子の家族滞在が認められないことがあります。
扶養者に必要な年収の考え方としては、居住する自治体が定める世帯人数に応じた生活保護の支給基準となる金額を超えることが目安となります。
※例:札幌市の生活保護支給基準
なお、「家族滞在」の在留資格で呼び寄せた配偶者が資格外活動許可を得てアルバイトをして生計を支えるという説明は受け入れられない可能性が高いです。

2. 扶養者との同居

「家族滞在」の在留資格は、原則として扶養者との同居を前提としています。
したがって、出入国在留管理庁の申請時の提出書類リストにはありませんが、同居可能な住居かどうかを確認するため、出入国在留管理局から申請時に追加資料として、住所地の賃貸借契約書の写しや自宅の間取図を求められる可能性があります。

3. 扶養者の在留資格が「留学」の場合

扶養者の在留資格が「留学」の場合も配偶者や子の「家族滞在」の在留資格は認められますが、次の場合に限られます。

a. 申請人が次の機関に入学して教育を受けること
日本の大学またはこれに準ずる機関
専修学校の専門課程
・外国において12年間の学校教育を修了した者に対して日本の大学に入学するための教育を行う機関
高等専門学校
※もっぱら夜間通学して又は通信により教育を受ける場合を除きます。

b. 申請人が日本の大学に入学して、この大学の夜間において授業を行う大学院の研究科においてもっぱら夜間通学して教育を受けること。
※この大学が大学院研究科において教育を受ける外国人の出席状況及び許可された活動の遵守状況を十分に管理する体制を整備している場合に限ります。

また、上記2にありますように、扶養者と同居が原則ですが、留学生の場合は大抵、ワンルームのマンションもしくはアパート、ルームシェアまたは学生寮に住んでいるため、申請の際に来日後の居住スペースをあらかじめ確保することが必要です。

簡単ですが以上が在留資格「家族滞在」についての概要になります。参考になればうれしいです。

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