就労ビザ

【技術・人文知識・国際業務】在留資格変更許可申請について

「留学」などの在留資格で日本に在留中の外国人が、日本の企業等に就職して、いわゆるホワイトカラーの業務に従事する場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要になるため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請を行わなければなりません。

今回は、この在留資格変更許可申請について述べたいと思います。
なお、これから述べる申請手続きは2024年9月現在のもので、提出書類等は日々変更されていくものですので、ご留意願います。
※最新の「技術・人文知識・国際業務」の申請書類等はこちら(出入国在留管理庁HP)をご覧ください。

「技術・人文知識・国際業務」所属機関のカテゴリーとは

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請を行う際に出入国在留管理局に必要な書類を提出することになりますが、その書類は、申請人である外国人が日本で所属することになる機関(会社・団体)の規模によって変わってきます。
カテゴリーは1の株式上場企業から4の新設企業まであり、1から4になるにつれ提出書類の数が増え、審査期間も長くなる傾向があります。

カテゴリー1
次のいずれかに該当する機関
・日本の証券取引所に上場している企業
・保険業を営む相互会社
・日本又は外国の国・地方公共団体
・独立行政法人
・特殊法人・認可法人
・日本の国・地方公共団体認可の公益法人
・法人税法別表第1に掲げる公共法人(株式会社日本政策金融公庫、国立大学法人など)
高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
一定の条件を満たす企業等
カテゴリー2
次のいずれかに該当する機関
・前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
・カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関
カテゴリー3
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)
カテゴリー4
カテゴリー1~3のいずれにも該当しない団体・個人

「技術・人文知識・国際業務」在留資格変更許可申請の提出書類

「技術・人文知識・国際業務」在留資格変更許可申請の提出書類は2024年9月現在で以下のとおりとなっています。
必要な提出書類のリストは出入国在留管理庁のホームページで公開していますが、この公開リストは必要最小限のものであり、実際にはこれ以外にも審査を受ける上で出した方が良い書類がありますので併せて記載させていただきます。かなり細かい内容になっていますが必要な書類を漏れがないように記載したものですのでご了解願います。

※1 出入国在留管理庁が公開している提出書類は、太字で記載しています。
※2 【】内は書類の取り寄せ先です。
※3 行政書士に申請手続きを依頼する場合、行政書士が申請者に代わって作成・取り寄せできる書類はアンダーラインで記載しています。アンダーラインのないものは、原則ご自身で作成・取り寄せをしていただくことになります。
※4 〔〕内は行政書士が書類を収集する際の方法になります(職務上請求書・委任状による代理申請)。
◇カテゴリー共通提出書類

在留資格変更許可申請書 1通

写真 1葉指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
※ 申請書の写真添付欄に写真を直接印刷したものを提出いただいても差し支えありませんが、指定の規格を満たさない不適当な写真を用いて申請が行われた場合には、写真の撮り直しをお願いすることになります。

パスポート及び在留カード(提示)

専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書(日本の専門学校の卒業証書・卒業証明書) 1通
※そのうち、外国人留学生キャリア形成促進プログラムとして認定を受けた学科を修了した者については、認定学科修了証明書 1通

派遣契約に基づいて就労する場合(申請人が被派遣者の場合)
申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料(労働条件通知書(雇用契約書)等) 1通

上申書、申請理由書(説明を要する特段の事情があるとき)

4,000円の収入印紙及び手数料納付書(結果受領時に提出)

◆カテゴリー1提出書類

カテゴリー1に該当することを証明する文書 適宜

四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(Yahoo!ファイナンス等)(写し)
主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
・所属機関が政府機関であるときはそのウェブサイトの写し等
所属機関が独立行政法人等であるときは登記事項証明書【法務局】
高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)

②その他
・出入国在留管理局には原則提出不要だが追加提出を求められうるもの(行政書士に依頼する場合は、行政書士に提出するもの)

・履歴書(学歴、職歴明記)
※申請人が基準省令で求められる学歴・職歴を有しているか確認するため。
・短大、大学又は大学院の卒業証書・卒業証明書
※申請人が基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。短大又は大学を卒業した直後の申請の場合は、卒業証明書の写しを追加で求められることが多い。ただし、在学中の場合は、「修了見込み証明書」を提出して申請する。卒業証書、卒業証明書は結果受領時に提示又は提出を求められることがある。
・「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書
※申請人が、基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。法務大臣の告示で指定された試験・資格に限る。申請する地方出入国在留管理局によっては、写しではなく原本を要求される場合もあるので、あらかじめ確認しておく。
・日本の所属機関で従事する業務に関連する業務についての10年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない。
・日本の所属機関で広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発等の業務に従事する場合、その業務に関連する業務についての3年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない。
◆カテゴリー2提出書類

カテゴリー2に該当することを証明する文書 適宜

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し
※オンライン提出の場合は、データ受付ページの写しを添付するか、オンライン提出日の記載があるものを提出すること。
在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)[カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関に限る。]

②その他
・出入国在留管理局には原則提出不要だが追加提出を求められうるもの(行政書士に依頼する場合は、行政書士に提出するもの)

・履歴書(学歴、職歴明記))
※申請人が基準省令で求められる学歴・職歴を有しているか確認するため。
・短大、大学又は大学院の卒業証書・卒業証明書
※申請人が基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。短大又は大学を卒業した直後の申請の場合は、卒業証明書の写しを追加で求められることが多い。ただし、在学中の場合は、「修了見込み証明書」を提出して申請する。卒業証書、卒業証明書は結果受領時に提示又は提出を求められることがある。
・「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書
※申請人が、基準省令に合致した学歴又は資格を有しているかを確認するため。法務大臣の告示で指定された試験・資格に限る。申請する地方出入国在留管理局によっては、写しではなく原本を要求される場合もあるので、あらかじめ確認しておく。
・日本の所属機関で従事する業務に関連する業務についての10年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない。
・日本の所属機関で広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発等の業務に従事する場合、その業務に関連する業務についての3年間以上の職歴を証する以前の雇用主発行の過去の在職証明書(学位や資格ではなく職歴を基に申請する場合に要確認)
※職歴を要件として申請する場合に、実際に基準省令を満たす職歴があるかを確認するため。学歴を要件として申請する場合には、申請後入管当局が追加資料として提出を求めた場合に用意しても問題はない
◆カテゴリー3・4提出書類

カテゴリー3に該当することを証明する文書 適宜

・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
※オンライン提出の場合は、データ受付ページの写しを添付するか、オンライン提出日の記載があるものを提出すること。

※カテゴリー4の場合はカテゴリー4に該当することを証明する文書は不要です。

申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料

ⅰ)労働契約を締結する場合
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通
(雇用契約書・労働条件通知書等)
※雇用契約書等がない場合、職務内容証明書(職務内容、地位、期間、報酬の記載のあるもの)
ⅱ)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通
ⅲ)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通
(派遣状・異動通知書等)

申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書

ⅰ)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通
ⅱ)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
・大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書(卒業証明書・成績証明書)。なお、DOEACC制度の資格保有者の場合は、DOEACC資格の認定証(レベル「A」、「B」又は「C」に限る。) 1通
※国によっては(例:中国)卒業証明書と学位証明書が分れているので、その場合は両方必要。ただし、在学中の場合は、「修了見込み証明書」を提出して申請する。卒業証書、卒業証明書は結果受領時に提示又は提出をする。
・在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
・IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通
※ カテゴリー共通提出資料④の資料を提出している場合は不要
・外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通

登記事項証明書(申請前3カ月以内に発行したもの) 1通【法務局】
※所属機関が駐在員事務所等登記されていない機関である場合は、「所属機関の概要」というタイトルで勤務先等の沿革、代表者(役員)、事業内容・活動内容等を記載した書類を作成して提出する

事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

ⅰ)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通
ⅱ)その他の勤務先等の作成した上記(ⅰ)に準ずる文書 1通

※定款の写しを添付する。

直近の年度の決算文書(貸借対照表・損益計算書)の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
※第1期が完了していないため決算書がない場合、決算書はあるものの財務状況が良くない場合も事業計画書を提出する。

⑦その他
・日本語能力を証明する書類
※日本語能力試験合格証明書などがある場合に提出する。
・資格の合格証の写し
※何か職務に関連する資格を持っている場合に提出する。

◆カテゴリー4 提出書類

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

ⅰ)源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通
ⅱ)上記(ⅰ)を除く機関の場合

a.給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通
b.次のいずれかの資料
・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通
・納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

※「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の控え(税務署の受理印のあるもの)を提出するのが通常である。

②その他
・不動産登記簿謄本(事業所物件を所有している場合)
・賃貸借契約書の写し
・事業所の転貸借契約書の写し、及び、事業所の転貸借同意書の写し(事務所が転貸借の場合に提出)
・事業所の見取図
・事業所の写真:ビルの外観、ビルの入口(会社名の看板要)、オフィスの入口、オフィスの内部(何人分の机があるか、PC、電話、キャビネットなどが設置されていること)

申請の際に

申請人本人以外の方が申請書類を提出する場合は、提出する方の身分を証する文書(会社の身分証明書、申請取次者証明書、戸籍謄本等)の提示が必要です。

「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格を変更する場合の流れ

・留学生が卒業後に新卒で日本の企業等に就職する場合、在学中に「卒業見込み」で在留資格変更許可の申請を行います。
・例えば、4月入社の留学生は、例年前年の12月から申請をすることができます。
審査は通常1か月以上はかかるため、遅くとも2月上旬くらいまでに申請することが必要です。
もし、申請が3月以降と遅くなってしまった場合、4月1日までに就労ビザが許可されない可能性が高くなりますので、4月1日入社の内定が出ていたとしても変更許可が出るまで就労することはできません。
・新卒留学生の「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更は、学士取得や専門士取得が条件となっているため、新しい在留カード受取時に、卒業証書の原本提示が求められます。

・なお、留学生が就職先を決められずに卒業することになった場合、1年間を限度に就職活動を目的として「特定活動」という在留資格への変更許可を申請することができます。

以上が在留資格「技術・人文知識・国際業務」在留資格変更許可申請についての概要になります。参考になればうれしいです。

>お問い合わせはこちらからどうぞ

関連記事

最近の記事
  1. 【配偶者ビザ】在留期間更新許可申請について

  2. 育成就労制度とは Part6【育成就労制度についてのさまざまなお話】

  3. 育成就労制度とは Part5【技能実習から育成就労への経過措置】

  4. 育成就労制度とは Part4【育成就労から特定技能への流れ】

  5. 育成就労制度とは Part3【技能実習と育成就労の違い】

  6. 育成就労制度とは Part2【育成就労制度の概要】

  7. 育成就労制度とは Part1【制度創設の背景】

  8. 【在留資格】永住者について

  9. 【在留資格】定住者について

  10. 【日本人の配偶者等】在留資格認定証明書の交付申請について