在留資格全般

再入国許可について

再入国許可

再入国許可とは、日本に在留する外国人が、転勤などの業務上の理由や一時帰国等で一時的に出国し再び日本に入国しようとする場合に、入国・上陸手続を簡略化するため、出国前に出入国在留管理庁長官が与える入国許可です。
出国に先立ってこの許可を受けておくことで、再入国に際して、改めて上陸のためにビザを取り、上陸申請を行って上陸許可を得る必要もなく、日本に再入国後も以前と同じ在留資格で在留が可能となります(上陸後はこれまでの在留資格及び在留期間が継続しているものとみなされます)。

再入国許可には、1回限り有効のものと有効期間内であれば何回も使用できる数次有効のものの2種類があり、その有効期間は、現在持っている在留資格の在留期間の範囲内で、5年間(特別永住者の方は6年間)を最長として決定されます。

ちなみに、日本に在留する外国人が再入国許可を受けずに出国した場合や海外で再入国許可の期限が切れた場合は、その外国人が持っている在留資格は失ってしまうので注意が必要です。これは「永住者」や「特別永住者」であっても同じです。
※パスポート内のページに再入国許可印が貼付され、再入国許可期間と期限日を知ることができます。

※現行法上、3年間または5年間という長期間の在留期間が許可されるため、在留期間中に日本から海外に転勤するような事例が増えています。この場合、転勤前に市区町村役場に国外への転出届を出し、帰任の際には国外からの転入届を出す必要があります。

◆再入国許可を受けられない者

以下に該当する場合、再入国許可は受けられません。
・仮上陸の許可、寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可を受けている者
・入管法25条の2に規定する出国確認の留保該当者として関係機関から通知を受けている者
・我が国の外交上その他の利益を害する行為または公安を害する行為を行うおそれがあるもの
・「短期滞在」の在留資格をもって在留する者
・難民認定申請を行っていることを理由に「特定活動」の在留資格をもって在留する者等

◆再入国許可の延長制度

入管法26条5項は「有効期限内に再入国することができない相当の理由があると認めるときは(中略)1年を超えず、かつ、当該許可が効力を生じた日から6年(特別永住者は7年)を超えない範囲内で、当該許可の有効期間の延長を許可することができる」と規定し、再入国許可の有効期間の延長を一定程度で認めています。

期間を延長したい場合は、その国にある日本の在外公館(大使館・領事館)に出頭して延長の許可を受けます。
ただし、出国前に与えられていた在留期限を超えて再入国許可の有効期間の延長を受けることはできませんので注意が必要です。

また、上記の「有効期限内に再入国することができない相当の理由」とは、具体的には、海外で重大な病気になった、重大な怪我を負った、紛争・戦争等で輸送機関の運行が停止などで、単に期間が過ぎた場合には認められません。

みなし再入国許可

日本に滞在する外国人が一時的に出国してスムーズに再入国したい場合には再入国許可が必要でしたが、平成24年7月からみなし再入国許可の制度が導入され、有効なパスポートと在留カード(特別永住者は特別永住者証明書)を持っている外国人(「3月」以下の在留期間を決定された外国人、「短期滞在」の在留資格をもって在留する外国人を除く)が海外出張や一時帰国、旅行などで出国後1年以内(特別永住者は2年以内)に再入国する場合は、原則、再入国許可を受ける必要がなくなりました。
みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年間となりますが、在留期限が出国の日から1年を経過する前に到来する場合には、在留期限までとなります。

実際に、みなし再入国許可により出国しようとする場合は、有効なパスポートと在留カードを所持し、出国時に入国審査官に対して、みなし再入国許可による出国を希望することを伝える必要があります。
具体的には、再入国出国記録(再入国EDカード)に「一時的な出国であり、再入国する予定です」というチェック欄が設けられているので、この欄にチェックし、入国審査官に提示して、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝えることになります。

◆みなし再入国許可を受けられない者

以下に該当する場合、みなし再入国許可は受けられません。
①在留資格取消手続中の者
②出国確認の留保対象者
③収容令書の発付を受けている者
④難民認定申請中の「特定活動」の在留資格をもって在留する者
⑤日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして法務大臣が認定する者

◆みなし再入国許可の延長についての注意

従来の再入国許可では、相当の理由があれば、日本の在外公館に出頭することで再入国許可の有効期間を延長してもらうことができましたが、みなし再入国許可で出国した場合は、たとえ相当な理由があったとしても有効期間を海外で延長することができません
有効期間までに再入国できない場合は在留資格が失われるので十分注意してください。

再入国許可申請の手続き

手続対象者

日本に在留する外国人で在留期間(在留期間の定めのない者にあっては、日本に在留できる期間)の満了の日以前に再び入国する意図をもって出国しようとする外国人

申請時期

出国する前
※再入国許可は外国人本人の持っている在留資格の在留期限を超えて許可されることはありませんので、自分の残りの在留期間を意識して早めに申請した方がよいです。

申請提出者
  1. 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)
  2. 代理人(申請人本人の法定代理人:親権者、未成年後見人、成年後見人)
  3. 取次者 ※以下の(1)~(3)

(1) 地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
・申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
・申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
・外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
・旅行業者
(2) 地方出入国在留管理局に届出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
(3) 申請人本人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には、その親族又は同居人若しくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの

提出先

居住地を管轄する地方出入国在留管理官署
※原則として出入国港に所在する地方出入国在留管理局出張所では再入国許可申請はできませんので、事前に居住地を管轄する地方出入国在留管理局で再入国許可を得ておく必要があります。

手数料

許可されるときは3,000円(一回限り)、若しくは6,000円(数次)が必要(収入印紙で納付)

標準処理期間

当日

以上が再入国許可についての概要になります。参考になればうれしいです。
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