資格外活動の許可
資格外活動の許可はなぜ必要なのか?
日本に在留する外国人は、入管法別表第一または二に定められた在留資格をもって在留することとされています。
入管法別表第一に定められた在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格や「留学」などで、その行うことができる活動はそれぞれの在留資格に応じて定められているので、現在所持している在留資格で定められた活動以外の収入を伴う活動を行おうとする場合には、別に資格外活動許可が必要となります。
資格外活動の許可は、証印シール(旅券に貼付)または資格外活動許可書の交付により受けられます。証印シール又は資格外活動許可書には、「新たに許可された活動内容」が記載されます。
また、中長期在留者に対して交付される在留カードの裏面に、資格外活動許可の要旨が記載されます。
入管法別表第一に該当する在留資格の活動内容の例
在留資格 | 活動内容 |
教育 | 中学校・高等学校の語学教師等 |
技術・人文知識・国際業務 | 営業、マーケティング、経理や貿易などの事務職 SEなどのコンピューター関連の仕事 電気や機械系のエンジニアの仕事 通訳や翻訳、デザイナーなど |
企業内転勤 | 外国の事業所からの転勤者 |
技能 | 外国料理の調理師 スポーツ指導者等 |
留学 | 大学、短期大学、高等学校等の学生・生徒 |
家族滞在 | 在留外国人が扶養する配偶者・子 |
特定活動 | ワーキング・ホリデー インターンシップ 大学等卒業後に就職先が内定し採用までの滞在等 |
ちなみに、入管法別表第二に掲げる在留資格の方(「永住者」、「日本人の配偶者等」、「定住者」など)は、就労制限はないため資格外活動許可の対象にはなりません。
(注)「留学」の在留資格をもって在留する外国人が、在籍する大学又は高等専門学校(第4学年、第5学年及び専門科に限る。)との契約に基づいて報酬を受けて行う教育又は研究を補助する活動については、資格外活動の受ける必要はありません。
資格外活動許可の種類
資格外活動許可には、「包括的許可」と「個別指定許可」の2種類があります。
両方の許可を受けることもできますが、既に一つの許可を所持する方が新たに別の許可を受けようとする場合、現に所持している在留資格に係る活動を阻害しない範囲で活動できると判断される場合のみ許可されます。
a.包括的許可
①原則1週に28時間以内(※)であること及び活動場所において風俗営業等が営まれていないことを条件として企業等の名称、所在地及び業務内容等を指定しない場合です。実際はアルバイト的な活動が想定されます。
ちなみに、「留学」の在留資格を有するものについては、在籍する教育機関が学則で定める長期休業期間があるときは、1日について8時間以内、週40時間以内の収益・就労活動が認められています。
なお、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を有する方がアルバイトをするためには資格外活動許可を取得する必要がありますが、留学や家族滞在の資格外活動許可のように簡単には審査が通りにくい側面があります。飲食店やコンビニなどの単純労働では、まず許可が下りません。
※ 1週に28時間は、どこの曜日を起点にしても28時間以内となっていることが必要です。
◆許可の対象となる例
・日本の大学を卒業し、又は専修学校専門課程において専門士の称号を取得して同校を卒業した留学生であって、卒業前から行っている就職活動を継続するための「特定活動」の在留資格をもって在留する者で、同教育機関からの推薦状に資格外活動許可申請に係る記載がある場合
・外国人の扶養を受ける配偶者若しくは子、又はそれに準する者として扶養を受ける者として行う日常的な活動を指定されて在留する方で、「特定活動」の在留資格の方
②地方公共団体等において雇用されている「教育」、「技術・人文知識・国際業務」又は「技能(スポーツインストラクターに限る。)」の在留資格をもって在留する外国人が、1週に28時間以内であること及び地方公共団体等との雇用契約に基づいて、在留資格「教育」、「技術・人文知識・国際業務」又は「技能(スポーツインストラクターに限る。)」に該当する活動を行うことを条件として、勤務先の名称、所在地及び業務内容等を指定しない場合
b.個別指定許可
雇用主である企業等の名称、所在地及び業務内容等を個別に指定する場合です。
例えば、週28時間以内の包括的許可の申請があった場合や就労資格を有する方が、他の就労資格に該当する活動を行う時は、当該活動を行う事業内容その他必要な事項を定めて個々に許可されます。
◆許可の対象となる例
・大学で活動する「教授」の在留資格の方が民間企業で語学講師として稼働する場合(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行う場合)
・個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合
資格外活動許可の要件(一般原則)
資格外活動許可を取得するには、以下のすべての要件を満たしていることが必要になります。
1.申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
2.現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
3.〈個別指定許可の場合〉申請に係る活動が入管法別表第一の一の表または二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること
4.申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
イ 風俗営業若しくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
5.収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
6.素行が不良でないこと。
7.本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。
資格外活動許可申請の手続き
在留資格活動許可申請とは
就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格に応じた活動以外に、アルバイトなど、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に行う申請です。
手続対象者
現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする外国人
申請時期
現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとするとき
なお、上陸に伴う在留資格認定証明書の交付申請時には申請することができません。
ただし、「留学」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」又は「技能」の在留資格を決定されて新しく上陸の許可を受けた場合(「3月」の在留期間が決定された場合を除く。)には、上陸の許可に引き続き、資格外活動許可の申請を行い、上陸の許可を受けた出入国港で資格外活動許可を受けることが可能です。(「留学」については上記包括的許可①、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」については上記包括的許可②に該当する申請に限られます。)
また、既に資格外活動許可を得ている者が、本来の在留資格の在留期間更新後もその活動を続けたい場合は、資格外活動許可申請を同時にし、許可を得る必要があります。
申請提出者
1. 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)
2. 代理人(申請人本人の法定代理人:親権者、未成年後見人、成年後見人)
3. 取次者 ※以下の(1)~(3)
(1) 地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
・申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
・申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
(2) 地方出入国在留管理局に届出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
(注) 申請取次者が申請する場合でも、申請人が日本に滞在していなければならないので、出国中は申請することができません(申請が受理された後、審査中の出国は可能です)。申請取次者が許可を受領する場合でも、申請人が日本に滞在していなければならないので、出国中は許可を受領することができません。
提出先
居住地を管轄する地方出入国在留管理官署
手数料
なし
標準処理期間
2週間~2か月